Q.何故、訪問看護を選んだのですか?
訪問看護を目指すきっかけは大学での在宅看護実習でした。実習で実際に在宅療養されているお宅に訪問し、病気と“うまく付き合う”ことや、療養者さんの存在自体が家族の心の支えになっていることに感動しました。自分のやりたい看護はこれだ!と思った瞬間でした。その後地方の大学院に進学し、勉強の傍ら、非常勤として訪問看護師をしていました。
Q.どのように現在の職場に入りましたか?
就職の際に自分が条件にしたのは、教育力・研修制度が充実している、ということでした。そこで、大学院の指導教授に相談して条件に合いそうな事業所を紹介して貰ったり、訪問看護に力を入れていそうな企業・事業所にメールで相談したりしました。インターンもさせてもらい、スタッフや職場の雰囲気も就職の決め手にしました。現在の職場は、看護師の教育に力を入れており、研修制度も充実していました。また職場の雰囲気もとても良かったので、ここでなら自分もやっていけるかも…と思い、就職しました。
Q.印象に残っている利用者さんの事例はありますか?
Aさんは70代男性で、肝臓がんを患っていました。現役時代、会社の社長さんをしていました。人を育てることや経営に対する関心が強く、いつも私を温かく見守ってくれていました。私が新卒で訪問看護師をしていることも知っており、「あなたは皆と違う道を選んでいるんだから、それを生かしなさい。あなたにしかできないことをやり続けなさい。」と言ってくれていました。Aさんはその後別の訪問看護ステーションに移行し、今年の夏にお亡くなりになりましたが、その言葉は今でも忘れられず、私の原動力になっています。
もう一つ印象に残っているのは、初めてお看取りの場面に立ち会ったときです。Bさんは乳がん末期の60代女性でした。当時は入職したてで所長さんに同行しての訪問でした。夫が仕事の傍らBさんを介護していましたが、初めての介護に食事や洗濯など初めてのことだらけ。一時は在宅では厳しいのではと思われましたが、Bさんの最期を看取ることができました。エンゼルケアは家族が涙を流しながらもどこか温かい雰囲気で、お礼を言ったり「よかったね」と言いながらBさんに触れていたのが印象的で、これが在宅でのお見送りなんだと思った瞬間でした。
Q.単独訪問件数はどのようなペースで増えていきましたか?
最初の一ヶ月は4日/週勤務で同行訪問のみ、翌月は単独訪問が30件/月、次が60件/月、80件/月と3-4か月の期間で単独訪問が増えていきました。
Q.職場ではどのような教育を受けてきましたか?
東京都の看護協会主催の訪問看護師育成研修に参加しました。事業所ではプリセプターが一人ついてくれました。入職3か月、6か月、1年でフォローアップ研修を行い、自分が感じていることや課題、困難ケースについて所長・プリセプターと話す機会がありました。その他、職場内での入職時研修などを随時受講しました。医療処置については、その都度同行訪問や事業所で指導してもらいました。プリセプターはいましたが、プリセプターであるなしに関わらず、困ったときは他のスタッフにも随時質問・相談し、指導してもらいました。
Q.新卒や新人で訪問看護に入って良かったことは何ですか?
家にあるものでケアに必要なものを作ったり、代用したり、同じケアでも型にはまらない看護ができること。
Q.新卒や新人で訪問看護に入って大変だったことは何ですか?
訪問当初は、訪問が怖くて怖くて仕方がなく、心細かったです。今も不安なことはありますが、不安なことが具体的な時は事前に対処方法を考えるようにしています。また、私は新卒だったので、医療処置に対するコンプレックスがありました。医療処置についてはその都度練習や同行訪問を重ねたり、自分で勉強したりしていました。
Q.今後どのようにキャリアを形成していきたいですか?
博士課程に進学し、研究の分野で訪問看護と向き合っていきたいと考えています。その一方で訪問看護師として何らかの専門性を持ちたいとも思っているので、キャリアアップについては現在も考え中です。
Q.訪問看護に関心がある看護学生や看護師へのアドバイスをお願いします
もしも訪問看護に少しでも興味があるなら、その気持ちを大切にして欲しいです。訪問看護は皆さんが思っているよりもずっと身近で、魅力的な分野です。療養者さん一人一人と向き合いたいという人はぜひチャレンジして欲しいです!
Q.あなたにとって訪問看護とは?
一人の人間として「生きる」ことに真摯に向き合う場
自分らしくいられるひととき
PROFILE
- ■年齢:
27歳 - ■勤務先:
訪問看護ステーション けやき(世田谷区社会福祉事業団) - ■出身校:
聖路加看護大学(2009年度卒業) - ■訪問看護をする前の臨床経験年数:
0年 - ■訪問看護の臨床経験年数:
3年8ヶ月 - ■訪問看護を始めた年齢:
23歳 - ■紹介されたマスコミ媒体など:
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その他のインタビュー
挑戦者インタビュー
倒れてから対応するのではなく、 倒れる前に対応出来きる訪問看護師の道を極めたい
柴山 宜也さん/訪問看護ステーション リカバリー(Recovery International 株式会社)