Q.何故、訪問看護を選んだのですか?
「最後は自宅で」と決めていた祖母を自宅で看取れなかったことが根底にあり、大学病院でも自宅退院が困難な方や社会的入院させられる方がいる現状に疑問を持ち、在宅で暮らせる方が1人でも多くなるような支援ができればと考え、訪問看護が最適だと考え選びました。
Q.どのように現在の職場に入りましたか?
もともと訪問介護・居宅介護支援事業などをおこなっている会社で在宅に欠かせない訪問看護を立ち上げたいという思いが会社としてあったみたいで、知人の紹介を介して数回面談という形でお互いの在宅に対する思いを話していると一緒に在宅をやりたいという気持ちになり入職することに決めました。
Q.印象に残っている利用者さんの事例はありますか?
1:脳内出血で嚥下機能などあり、退院後も点滴は続けると医師に言われていた方が「食べることが生きがい」と言われたため、嚥下リハビリなど行い経口より水分摂取でき食事も経口摂取ができるようなったケース。
2:妻が聴覚障害あるために、以前は妻の世話を夫が全ておこなっていたが夫が咽頭がんのターミナルと宣告され、「妻を自宅に一人にできない」という思いから在宅療養を希望された。徐々に経口摂取が困難となり体力も低下していく中でも「妻に迷惑をかけられない」と一人でポータブルトイレへ行き立ち上がれなくなったため、緊急で対応したりした方が最後まで妻と一緒に時間を共有したいという思いと自分の役割を守ろうとした利用者の思いを尊重できたケース。
3:睾丸炎としか診断されていない方が退院される際に医者より「一生、尿の管は抜けません」と言われたまま在宅に帰り、本人も膀胱留置カテーテル抜去がしたいが医師から言われているため外せないと悩んでいましたが、看護師の観点からも抜去可能ではないか?とアセスメントし、医師に抜去を検討する余地はあるのではないかと何度も説得した結果、膀胱留置カテーテルを抜去することができ、嬉しそうな笑顔で排尿ができたこと。看護師のアプローチから医師を動かし利用者の希望を叶えられたケース。
Q.単独訪問件数はどのようなペースで増えていきましたか?
臨床経験が少しあったため、同行研修などを2週間程度行ってもらい、初回は見学であったが2~3回目からは主体的に関わらせていただき、同行者より一人でも可能と判断されたら一人訪問が可能となる。そうして同じ方に関わることで一人ずつ増えていきました。
Q.職場ではどのような教育を受けてきましたか?
現在の事業所は開設したばかりですが、私が受けた教育は同行訪問研修を行い、同行者に適宜質問や指導していただく形で学び、定期的な勉強会も開催もあったため学ぶ機会がありました。
Q.新卒や新人で訪問看護に入って良かったことは何ですか?
病院では見たことない、高齢者や病気を抱えた人の良い表情を見た時。本当の看護師の役割がある場所だと知ることができたこと。
Q.新卒や新人で訪問看護に入って大変だったことは何ですか?
医療・看護・介護が思ったより連携がスムーズに取れていることが少ないこと。また家族などの協力体制がない場合にどのようにサポートしていくかを考えることが大変でした。
Q.今後どのようにキャリアを形成していきたいですか?
今後は訪問看護の普及活動を行いながら、新たな訪問看護ビジネスモデルの構築を視野に行動していこうと思っています。また、本当の意味での医療・看護・福祉の連携を行い地域再生なども繋げていきたいと考えています。
Q.訪問看護に関心がある看護学生や看護師へのアドバイスをお願いします
看護師になろうと思った想いを一番素直に表現・実践できる場所であり、訪問看護を通して看護師という職業が本当に好きになれると思います。
Q.あなたにとって訪問看護とは?
在宅で暮らす人々を通じて地域を支えているという使命感・充実感・達成感を感じることができる仕事であり、最上級の個別看護ができる場だと思っています。
PROFILE
- ■年齢:
27歳 - ■勤務先:
梅ヶ丘訪問看護ステーション(株式会社うめケア) - ■出身校:
平生学園 平生看護専門学校(平成21年度卒業) - ■臨床専門分野:
消化器内科・循環器内科・呼吸器内科 - ■訪問看護をする前の臨床経験年数:
准看護師:2年9ヶ月/看護師:4年 - ■訪問看護の臨床経験年数:
6ヶ月 - ■訪問看護を始めた年齢:
27歳
その他のインタビュー
挑戦者インタビュー
倒れてから対応するのではなく、 倒れる前に対応出来きる訪問看護師の道を極めたい
柴山 宜也さん/訪問看護ステーション リカバリー(Recovery International 株式会社)