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挑戦者インタビュー  2014.03.04掲載

倒れてから対応するのではなく、 倒れる前に対応出来きる訪問看護師の道を極めたい

柴山 宜也さん/訪問看護ステーション リカバリー(Recovery International 株式会社)

Q.何故、訪問看護を選んだのですか?

私は高校生の時に母親を脳梗塞で亡くしています。収縮期血圧が200に近かった母親ですが、自分にもっと知識があれば「事前に防げたのでは?」と嘆き、自分自身の知識・経験を上げるべく急性期の病棟を希望しました。そして、一個人と親身に向き合う中で「予防出来る病気は事前に予防を進めて行く」事こそ、母親への恩返しと感じる様になり、訪問看護の道を選びました。

Q.どのように現在の職場に入りましたか?

自分自身を磨き、人間として成長出来るよう色々なスクール、セミナー、勉強会に参加しました。その中で現在の所長に出会い、海外の医療の状況を聞きました。海外では当たり前に在宅サービスがあり、地域の方々のヘルスケアを看護師が作っていると聞いた事で共感し、共に訪問看護を立ち上げるようになりました。

Q.印象に残っている利用者さんの事例はありますか?

大腸がん末期、腹膜播種、癌性腹膜炎の80歳代女性。ターミナルの方で口数少なく、いつも遠くを眺めているような方でした。会話も少なく、ケア中も無言の時間が多かったです。
私は学生時代にサッカーをしていた経験もあり、サッカー好きな息子さんと良く話しをしていました。具合も徐々に悪くなり、いよいよ最期を向かえる時期、私が訪問してすぐ亡くなられました。息子さんの一言が私に取って印象的で、人と人との関わり方は言葉だけでは無い事を知るキッカケになりました。

息子さんの言葉
「さっきまで苦しそうだった母親ですが、柴山さんが来てくれた途端に良い笑顔ですっと休まれました。待っていたのですね。」

言葉にはせずとも、家族と良く関われた事が、一家の母親に取って素敵な交流だったのだと思います。

Q.単独訪問件数はどのようなペースで増えていきましたか?

開所初月は利用者数も少なく5件程度でしたが、先輩看護師と共に現場に慣れて行きました。二ヶ月目からは一人で訪問する事が多くなり、10件/月は増えています。

Q.職場ではどのような教育を受けてきましたか?

将来管理者を目指す立場であり、医療知識や技術だけでなく、関係法規や地域連携なども中心にして指導を受けています。その他地域の色々な方々を紹介してもらい、関係機関との関わり方を現場で一緒に学んでおります。

Q.新卒や新人で訪問看護に入って良かったことは何ですか?

若いと時間的自由が効く事が一番です。家庭を持っておらず、時間の縛りが無いため、土日や早朝夜間など、地域のニーズに合わせて時間が組める事は若くして訪問看護をやって良かったと思います。また、「病院ではこうだ!」と言うような先入観が無いため、知識技術がスムースに受け入れられた事も良かったと思います。若い同性利用者の方には、「若い同性看護師で良かった」とも言われますので、この事も若くして訪問看護をやって良かったと思います。

Q.新卒や新人で訪問看護に入って大変だったことは何ですか?

臨床経験が少ない事での知識・技術、連絡調整方法での不安はありました。しかし、利用者やコメディカルの方で臨床経験を気にされる方はほとんどおらず、むしろその分自己研鑽して行かないと、とは思いました。また、病院とは違って受け身では最新の情報が入らないので、主体的に情報を取りに行く事が大変です。

Q.今後どのようにキャリアを形成していきたいですか?

まずはケアマネージャーの資格を取り、居宅介護支援事業所を併設したいです。また、在宅認定看護師など看護師としての玄人を目指し、予防医学普及の為に地域で活躍出来る看護師を目指します。その為にも積極的に勉強会に参加し、自己研鑽に努めます。

Q.訪問看護に関心がある看護学生や看護師へのアドバイスをお願いします

訪問看護と言ったら、初めから一人で訪問するため
・責任が重い。
・知識技術経験が人一倍必要。
・年配の熟練看護師が行う業務。
このようなイメージがありました。

しかし、いざ体験するとイメージとは全く異なり、
・知識技術は研修や先輩看護師と同行訪問で学べる。
・若手看護師も増えて来ている。むしろ、必要とされている。
・責任はあるが、やりがいのある仕事。
このようなものでした。そもそも初めから一人で訪問するイメージが間違いであり、病棟と同じ様に教育システムがあり、先輩と一緒に動く為、密に学べる環境があります。

また、僕は病棟と訪問看護では時間感覚が違う事がやりがいを感じる理由でもあります。病棟であれば丁寧且つ効率良く患者ケアを行うため、どうしても時間に追われます。しかし、時間の決められた訪問であれば、その決まった時間に如何に丁寧なケアが出来るかが腕の見せ所であり、利用者と関わる時間が長い為、本当にやりがいを感じます。また、他職種との連携が必須であり、嫌でも全人的医療を現場で体験出来ます。

病棟看護にも良い部分は沢山ありますが、訪問看護も魅力の沢山ある仕事です。しかし、まだまだ認知度の低い仕事でもあります。僕は新卒段階で訪問看護の魅力に触れていれば最初の就職先も変わっていたかもしれません。是非一度ご自身の目で見て、体験して感じて頂けたら視野を広げる良い機会になると確信しております。

Q.あなたにとって訪問看護とは?

倒れてから対応するのではなく、 倒れる前に対応出来きる訪問看護師の道を極める事が、若くして亡くなった母と、現在唯一の肉親である父親への親孝行です。

PROFILE

  • ■年齢:
    27歳
  • ■勤務先:
    訪問看護ステーション リカバリー(Recovery International 株式会社)
  • ■出身校:
    栃木県立衛生福祉大学校(平成20年度卒業)
  • ■臨床専門分野:
    急性期消化器病棟
  • ■訪問看護をする前の臨床経験年数:
    3年5ヶ月
  • ■訪問看護の臨床経験年数:
    0年
  • ■訪問看護を始めた年齢:
    27歳
  • ■ブログ・ホームページなど:
    http://ameblo.jp/recovery5882/

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